【インタビュー】「不二家」担当者に聞く!IPコラボへの想い|ファン目線を重視しながら“不二家らしさ”も両立
『ペコちゃん』でおなじみの不二家では、アニメ・ゲーム・漫画など、さまざまなIPとのコラボレーションを展開しています。単にキャラクターのデザインを商品に取り入れるのではなく、「不二家だからこそできるコラボレーション」を大切にしているという同社。今回は、IP選定の考え方や企画を考案する際のこだわり、作品やライセンサーとのパートナーシップ、これまでに反響の大きかったコラボ事例、今後の展望について、不二家洋菓子事業本部マーケティング部の阿部さんにお話を伺いました。
目次
- 世代を超えて愛されている老舗食品メーカー・不二家
- 「不二家だからこそできるコラボレーション」を追求
- 「ファン目線」で作品らしさと不二家らしさを両立
- 『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』コラボが大きな反響に
- 幅広いジャンルのIPとのコラボレーションに挑戦
- まとめ
世代を超えて愛されている老舗食品メーカー・不二家
──最初に、不二家がどんな会社か教えてください。
阿部さん:不二家は明治43年創業・100年以上の歴史を持つ老舗食品メーカーです。洋菓子の製造販売・店舗運営および菓子の製造卸売を行っており、「お菓子で世の中を幸せにしたい」という創業者の想いを胸に、時代を超えて幅広い世代に愛される商品作りを続けています。
代表的な商品は、ミルクの優しい味わいが特徴のミルキーをはじめ、外はサックリ・中はしっとりとした食感のカントリーマアム、サクサク食感でバターの香りが豊かなホームパイ、そして口どけの良いルックなど。全国に展開する洋菓子店舗では、季節の素材を活かしたケーキや長く愛され続けているショートケーキなどの洋菓子も提供しており、お子様からご年配の方まで、あらゆるシーンでおいしさ・楽しさをお届けすることを目指しています。
「不二家だからこそできるコラボレーション」を追求
──2026年だけでも、『ポムポムプリン』『ちいかわ』『しろたん』など、様々なIPとコラボを実施されていますね。
コラボを企画する上で最も大切にされていること・こだわりは何でしょうか?
阿部さん:不二家の商品やブランドにIPのデザインを単に掛け合わせるだけではなく、「不二家だからこそできるコラボレーション」にすることを大切にしています。作品やキャラクターが持つ世界観を尊重しながら、不二家が長年培ってきたお菓子づくりや店舗での体験、ペコちゃんをはじめとする自社キャラクターとの親和性なども活用する。その結果、双方の魅力がより伝わる企画を目指しています。
また、コラボを通してファンの皆様に思っていただきたいのは、「このコラボだから欲しい」「実際に店舗へ行ってみたい」ということ。そのために、商品の味や品質はもちろん、パッケージ、ノベルティ、店舗装飾、イベントなども含めて、一つの体験として楽しんでいただけることを意識しています。
──IP選定の際は、どんなことを重視されていますか?
阿部さん:話題性や認知度だけではなく、そのIPが持つ世界観やファン層と、不二家の商品・ブランド・店舗との親和性です。例えば、お菓子との組み合わせによって新しい魅力を表現できるか、不二家の店舗に足を運んでいただくきっかけをつくれるか、既存のお客様だけでなく新しいお客様との接点を生み出せるか、といった視点で検討しています。また、一時的な話題づくりだけではなく、IPと不二家の双方にとってプラスとなり、ファンの皆様にも納得して楽しんでいただける企画になるかという点も大切にしています。

「ファン目線」で作品らしさと不二家らしさを両立
──IPが決定した後、企画考案の際に注意していることや大事にしている意識はなんですか?
阿部さん:そのIPを好きな方が企画を見た時にどう感じるか、という「ファン目線」を大切にしています。キャラクターや作品の世界観、設定、デザインの特徴などを理解した上で、不二家の商品にどう落とし込めば、そのIPらしさと不二家らしさの両方を感じていただけるかを考えています。
──作品やライセンサー様と良好なパートナーシップを築くため、また作品へのリスペクトとして意識されていることや心がけている姿勢があれば教えてください。
阿部さん:IPそのものが、ライセンサー様やクリエイターの皆様、そして長年応援されているファンの皆様によって大切に育てられてきたものであることを忘れないようにしています。そこで大事にしているのは、企画段階から作品やキャラクターへの理解を深めること。そして、ライセンサー様からいただく監修内容やご意見の意図をしっかり理解した上で商品化を進めることです。
また、食品を扱う企業として、デザインだけではなく品質や安全性についても責任を持っています。発売までのスケジュールや確認事項をできる限り早く共有するなど、丁寧で円滑なコミュニケーションを心がけています。一度のコラボレーションで終わるのではなく、「また不二家と一緒に取り組みたい」と思っていただける関係を築いていくことが理想です。
『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』コラボが大きな反響に
──これまでに手がけられたコラボの中で、特に記憶に残っている案件を教えてください!
阿部さん:株式会社スクウェア・エニックス様の『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』とのコラボです。こちらは、特に大きな反響をいただいた企画の一つです。ペコちゃんのチャームポイントである「舌を出した表情」を取り入れた描き下ろしイラストが大変ご好評をいただき、商品は発売後すぐに完売。追加生産も決定し、多くのお客様に手に取っていただけたことが非常に印象に残っています。

また今年は、横浜F・マリノス様とオフィシャルパートナー契約を締結しました。マリノスのユニフォームを着用したペコちゃんの描き下ろしイラストをSNSで公開した際には、ファンの皆様から多くの反響をいただきました。横浜にルーツを持つ不二家だからこそ、今回のパートナーシップには特別な想いがあります。今後は冠試合の実施やコラボ商品の発売も予定しており、ファンの皆様に喜んでいただける取り組みを展開していきたいと考えています。
©︎1992 Y.MARINOS ©︎FUJIYA
幅広いジャンルのIPとのコラボレーションに挑戦
──今後、どのような作品・ジャンルとコラボしていきたいか、また商品化を通じて実現したい挑戦や想いがあればお聞かせください。
阿部さん:これまで、アニメ・ゲーム・漫画など、ジャンルにとらわれず、さまざまなコラボを展開してきました。今後も、コアなファンを持つ作品から、老若男女問わず幅広い世代に愛されている作品まで、さまざまなIPとのコラボに挑戦し、ファンの皆様に「楽しい」「うれしい」と感じていただける企画や商品をお届けしていきたいと考えています。また、ファンの皆様に喜んでいただくことはもちろん、コラボ先の皆様にも「不二家とまた一緒に取り組みたい」と思っていただけるような企画を、ひとつひとつ大切に展開していきたいです。
不二家は、お菓子の商品化だけでなく、全国の洋菓子店や催事、キャンペーンなどさまざまなお客様との接点を活用したコラボレーションが可能です。作品やキャラクターの世界観を大切にしながら、不二家だからこそできる新しい魅力や体験を一緒につくっていければと考えています。
ファンの皆様に心から喜んでいただける企画を目指し、ひとつひとつのIPと丁寧に向き合ってまいりますので、ぜひさまざまな形でご一緒できれば嬉しく思います。
──最後に、今後のコラボ情報について教えてください。
阿部さん:直近では、10月より開始するTVアニメ『らんま1/2』と初のコラボレーションをいたします。今回のコラボでは、TVアニメ『らんま1/2』のキャラクターたちがペコちゃんのように舌を出した描き下ろしイラストに加え、早乙女乱馬・らんまに扮したペコちゃん・ポコちゃんも登場します。また、イラストだけでなく、作品の世界観やキャラクターをイメージしたスイーツやミルキー缶なども展開予定です。
不二家らしさとTVアニメ『らんま1/2』らしさの両方を大切にし、双方のファンの皆様に楽しんでいただけるコラボを目指しました。ぜひご注目いただければと思います。

©高橋留美子・小学館/「らんま1/2」製作委員会
まとめ
不二家では、IPの世界観やファン目線を大切にしながら、「不二家だからこそできるコラボレーション」を追求しています。お菓子の商品化にとどまらず、店舗や催事、キャンペーンなどお客様とのさまざまな接点を活用し、IPと不二家双方の魅力を届ける企画を展開。今後も幅広いジャンルとのコラボレーションに注目です。