2025年8月12日(火)に放送された「マツコの知らない世界」。この回では、大反響を呼んだ人気企画の第4弾として「アニメ地巡礼の世界」が特集されました。夏休みに合わせ、国内外から注目を集める最新の”聖地”とその驚くべき経済効果を紹介。
さらに、地域と一体化した新たなムーブメントの最前線も詳しく解説されていました!この記事ではアニメを中心に、内容をまとめています。

目次

インバウンド巡礼者の急増

まず紹介されたのが、アニメ地巡礼のデータです。インバウンド巡礼者数は、2016年の115万人から2024年には299万人と急増。これにはマツコ・デラックスも「今回の旅のきっかけがアニメでなくとも、日本が好きになったきっかけがアニメという人も含めたら、半分以上のきっかけはアニメだと思う」とコメントしていました。

プレゼンターは、アニメイメージの変化についても言及。昔は「変な人の趣味」だったが、現在は「超クールでおしゃれ」となっていると紹介しています。また、有名スポーツ選手のタトゥーに『ドラゴンボール』のキャラクターがあったり、海外セレブのアパレルにもアニメがデザインされているなどの例が挙げられていました。『呪術廻戦』は、世界で最も需要の高いテレビアニメ番組としてギネスに。渋谷も舞台になっていることが紹介されました。

意外な場所が観光地に!? 経済効果がスゴいアニメ地まとめ

『東京リベンジャーズ』×中野沼袋氷川神社(東京都)

沼袋氷川神社公式HP(https://hikawa-n.or.jp/goshuin-tokyo-revengers)より引用

「東京卍會結成のモデル地」としてファンに人気の場所として紹介。2024年には、結成日である6月19日に約3000人が集まったといいます。
さらに、お守りも人気となっている様子でした。

『しかのこのこのここしたんたん』×東京都日野市

『しかのこのこのここしたんたん』公式Xより転載。

元ヤン優等生の日常をツノの生えた謎の少女がぶっ壊す、学園ギャグコメディ『しかのこのこのここしたんたん』。OPが世界中でバズっていることや、日野市の市長も踊っていることなどが紹介されました。舞台が日野市であることから、日野市役所や高幡不動尊などに巡礼しているファンが多いそう。

『日々は過ぎれど飯うまし』×東京都八王子市

アニメ公式サイト(https://hibimeshi.com/)より転載

東京都八王子市を舞台にしている作品。作中にも登場した、「やまびこ茶屋」の「山菜とろろ飯定食」が紹介され、放送後注文数が普段の約10倍にもなったそうです。

『ハイキュー!!』×宮城県仙台市

Yahooニュース(https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/d0ce313d695c76ca98077c4bcdda9ad862b766c5)より転載

バレーボール人口の増加や、タイ・インドネシアで特に人気があることが紹介されていました。アニメとほぼ同じ風景である「カメイアリーナ仙台」が登場し、お別れイベントには約9000人が集まりました

『メダリスト』×大須スケートリンク(愛知県名古屋市)

フィギュアスケートが題材の本作の聖地として紹介。アニメ放送後、来場者数が前年比70%アップしたといいます。

アニメ地巡礼の大ニュース!

『ルックバック』×秋田県にかほ市

『ルックバック』公開記念として作られた『にかほを見てMAP』
にかほ市公式HP(https://www.city.nikaho.akita.jp/soshikikarasagasu/kankoka/gyomuannai/2/1/5603.html)より転載。

『チェンソーマン』の作者・藤本タツキによる名作読切『ルックバック』の舞台、秋田県にかほ市。これまで「アニメの聖地不毛の地」とされてきた秋田県に、世界的な人気を誇る作家の作品の舞台が誕生したことの意義が語られました。作中に登場する印象的な風景を求めて、国内外からファンが訪れている現状を紹介。静かな港町が、クリエイターを志す若者や作品の深いメッセージに感銘を受けたファンにとっての特別な場所になっていることが解説されました。

『Free!』×鳥取県岩美町

岩美町観光協会(https://www.iwamikanko.org/news/7991/)より転載

男子高校生たちの水泳にかける青春を描いた大人気作品『Free!』。その主要な舞台となっているのが、鳥取県の北東部に位置する岩美町です。放送から12年の今年、初の公式イベントが開催されたことが取り上げられていました。人口約1万人の岩美町にファンが約3000人訪れるほどの盛況ぶり。

『負けヒロインが多すぎる!』×愛知県豊橋市

豊橋市図書館公式HP(https://www.library.toyohashi.aichi.jp/facility/chuou/information/2024/12/post-445.html)より転載

ライトノベルを原作とし、アニメ化で人気が爆発した『負けヒロインが多すぎる!』の舞台、愛知県豊橋市。作者の出身地であることや、作中に登場する豊橋市の風景やスポットが忠実に描かれていることから、放送後、多くのファンが殺到。さらに番組では、巡礼MAPが1か月で12000枚配布されたことや名産品の売り上げ上昇を紹介しました。また、ロケの模様も放送され、キャラクターと同じ画角で写真を撮る様子や、地元の飲食店や商店が作品とコラボレーションして展開するオリジナルグッズやメニューも楽しめるようです。

ゲーム地巡礼の世界

番組後半では、ゲームの聖地も人気急上昇中であることが紹介されました。例として、『8番出口』『Ghost of Tsushima Director's Cut』の長崎県対馬市、『Summer Pockets REFLECTION BLUE 』の香川県男木島と直島、『刀剣乱舞ONLINE』と栃木県足利市市立美術館など、数々の作品と聖地を解説しています。

『ウマ娘 シンデレラグレイ』×岐阜県笠松町

アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』公式X(https://x.com/umamusu_animeCG/status/1911329291708829731)より転載

ゲームのなかでも大々的に取り上げられたのが、社会現象ともなった『ウマ娘 プリティーダービー』のスピンオフ作品『ウマ娘 シンデレラグレイ』の聖地、岐阜県羽島郡笠松町にある笠松競馬場。1日の平均来場者数は約800人のところ、ウマ娘イベントレース開催時にはなんと1万人以上が来場!また、作中でオグリキャップが踊った「笠松音頭」も取り上げられ、観光案内所で売られていたDVDが爆売れしたそう。さらにプレゼンターは土手や食堂などの聖地を巡り、現地からも盛り上がりを喜ぶ声が上がっていました。最後にマツコは、これまで競馬に馴染みのなかった層を惹きつけたコンテンツの力を高く評価しました。

    世界が注目する日本のアニメと新たなビジネスモデル

    今回の「アニメ地巡礼の世界」は、ファンが作品への愛を表現する行為が、いかにして地域を豊かにし、新たな文化を創造していくかというダイナミックなプロセスを見事に描き出しました。マツコ・デラックスも終始、その熱量と経済効果、そして何よりも地域とファンが一体となって楽しむ姿に驚きと感動を隠せない様子でした。このように、単なるブームで終わらない、日本の新たな文化資源としての”聖地”の可能性を強く感じさせる放送回となりました。