近年、アニメや漫画のキャラクターが観光大使に任命される事例が増えています。これは、作品のファンを地域に呼び込み、観光を活性化させる新しい試みです。ファンにとっては、自分の好きなキャラクターが地域の顔となることで、その土地への愛着がより一層深まるでしょう。

この記事では、実際にどのようなキャラクターが観光大使として活躍しているのか、具体的な事例をいくつかご紹介します。作品の舞台となった場所や、作者ゆかりの地が、キャラクターの力でどのように盛り上がっているのかを見ていきましょう。

作品の舞台(聖地)となった地域での事例

物語の世界観と現実の風景がリンクすることで、ファンに深い感動を与え、多くの観光客を呼び込む成功事例が数多く生まれています。

『日向翔陽、影山飛雄、月島蛍、山口忠など(ハイキュー!!)』× 宮城県仙台市

作中に登場する体育館などのモデルが市内に点在することから「仙台観光特使」に就任。キャラクターの等身大パネル設置や、仙台七夕まつりとのコラボレーション、オリジナルグッズの販売などが行われています。

『小舟 潮(サマータイムレンダ)』× 和歌山県和歌山市

作品の舞台である「日都ヶ島」のモデルが友ヶ島であることから、市初となる「和歌山市アニメ観光大使」に就任。等身大パネルの設置や、市内を巡るデジタルスタンプラリー、PR動画の公開など、作品ファンに向けた企画を多数実施しています。

『Aqours(ラブライブ!サンシャイン!!)』× 静岡県沼津市

2025年、沼津にゆかりのある各界の著名人が就任する「燦々ぬまづ大使」に任命されました。作品のメイン舞台であり、「聖地巡礼」の代表的な成功例として知られています。市内各所にキャラクターのラッピングバスやタクシーが走り、マンホールも設置されるなど、街全体で作品を盛り上げています。

『しらせ、日向、結月、貴子(宇宙よりも遠い場所)』× 群馬県館林市

©YORIMOI PARTNERS

主人公たちの出発点となった館林市の風景が描かれており、4人のキャラクターが「館林アニメアンバサダー」に就任。市の公式サイトでPR活動を行いました。

キャラクターの知名度を活かした事例

続いては、世界的に有名なキャラクターが観光大使に就任した事例を紹介します。

『ハローキティ(サンリオキャラクター)』× 山梨県甲府市など多数

© 2022 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. L631945

世界的な知名度を誇り、国内外の様々な地域で観光大使を務めています。
2025年には、甲府市の「甲府ふるさと大使」に就任。キラキラした宝石のリボンと富士山のポシェットを持つイラストが公開されました。
信玄公祭りで「甲府ふるさと大使」の就任式が行われ、ふるさと納税返礼品や「甲府大好きまつり」でのスペシャルステージなど、各所で活動しています。

『ゴジラ』× 東京都新宿区

新宿東宝ビルに設置された「ゴジラヘッド」がランドマークとなっている縁から、2015年に「新宿観光特使」に任命されました。特別住民票も交付され、大きな話題に。
就任後は「東京染小紋」を活かしたふるさと納税に登場したり、新宿区のマンホールにデザインされたりと幅広く活動しています。

『ポケットモンスターのキャラクター』× 全国各地

ポケモンが「推しポケモン」として各地域を応援する取り組みが展開されています。

  • サンド&アローラ × 鳥取県・・・「とっとりふるさと大使」に就任。『とっとりサンドフェア』も開催され、鳥取県の特産品や伝統技術が使われたコラボ商品も販売されました。
  • イシツブテ&ラプラス&ラッキー × 岩手県・宮城県・福島県・・・「復興ありがとうホストタウン大使」に就任。これは、復興オリンピック・パラリンピックの実現に向け、東日本大震災の被災3県の住民と交流を行うものです。
  • ヤドン × 香川県・・・ 2018年12月に「うどん県PR団」に任命されました。香川県の特産品である「うどん」と「ヤドン」の音の響きが似ていること、和三盆や希少糖などの甘いお菓子とヤドンの「しっぽが甘い」ということ、昔から水不足に悩まされていることとヤドンが「あくびをすると雨が降る」という言い伝えがあることなど、様々な理由でマッチしたことがコラボ理由です。

まとめ

アニメキャラクターの観光大使起用は、ファンの持つ作品への愛情を地域への関心へと転化させる強力な起爆剤となります。
成功事例に共通するのは、作品の世界観を尊重し、ファンと地域住民の双方に利益をもたらす継続的な関係性を築いている点です。
今後もアニメやキャラクターがもたらす地域活性化に注目していきましょう!